ラメズ・ナム “Exile from Extinction”

2015年12月 Meeting Infinity に初出。
分量およそ4070語、日本語訳なら文庫20ページくらい。

あらすじ

人間と人工知能の戦争が勃発し、地上では虐殺が進行している。軌道上の宇宙船へと隠れ潜んだ「あなた」にも魔の手が迫る。間一髪で追手の攻撃をかわしたあなたは、眠る子どもたちを乗せた光帆船で遙かアルファ・ケンタウリを目指す。

感想

  • 幕開けはミサイルの飛来と迎撃、背景は人類とAIの全面戦争、虐殺を逃れた一機の宇宙船は系外脱出に望みをかける、とコテコテ。
  • ひとつ変わっているのは二人称で書かれていること。ここまで陳腐な上に二人称となれば何かしらのツイストを予期するが、結末は予測を外れるものではなく拍子抜けした。「あなたは私たちを見殺しにした」という記述におやっと思ったが何もなし。
  • 光帆推進の加速やタイムスケールははっきり数字で記されている。
  • さらりとしたショートショート。いまいち。「水」の方が面白い。